YAMAHA LJ6(2005&2011)その後

2019年05月14日

 ほぼ時を同じくして購入したYAMAHAのLJ6(2005と2011)のその後のことを書いてみる。

 2005と2011で使われている材のグレードは互角と書いたが、それは今でも変わらない認識だ。2011のほうがより目が詰まっておりやや硬い材ではあるが、もともとイングルマンスプルースはスプルースの中でもやや柔らかい材なので、どちらにしても大差はないし、叩いた音もほとんど変わらない。だがいざ鳴らしてみると同じイングルマンスプルースとは思えないくらい鳴り方が違う。これは製造年度に6年の差があることもあるだろうが、そもそも2005のほうがよく弾かれていたのがわかるし、そのぶんこなれていて、レンジも広いしマイルドさや繊細さもちゃんと出てくる。
 一方2011のほうはというと、これが逆にほとんど触ってもらえなかったに違いないと思えるくらい弾かれていないのがわかる。そのため、2005と同じように音を出そうとするとやや強めにピッキングする必要があるが、素性は良さそうで、派手に弾いても音が暴れることはない。だから多少鳴り方は違うかも知れないがいずれは 2005に追いつくだろうと思うし、その意味では楽しみでもある。
 現段階では中高音に関しては圧倒的に2005の勝ちであり、2011はまだほとんど鳴っていないと言ってもいいくらいだが、低音に関しては今でも互角に近い。これが前述のトップ材の硬さの違いによるものなのか、あるいはブレースの形状と貼り方が少し違うためなのかはまだよくわからない。

 YAMAHAのギターとも長いこと付き合ってきたが、今回のLJ6たちを弾いてみた感想は「YAMAHAのギターは明らかに進化している」というもの。Lシリーズとはいえ最下位のグレードである6シリーズにしてこの鳴りっぷりは見事と言うしかない。これなら見栄えを気にしなければならないプロでもなければ6シリーズで充分ではないかと思える。K.Yairiもそうだがサイド・バックの材が単板ではなく合板であるとかはもはや関係ないレベルにまで達していると思うし、むしろそのほうが丈夫でいいじゃないかと思うくらいだ。
 ネックのジョイント部分が過去のYAMAHAのギターの最大の弱点だったと思うが、それも現在のジョイント方法などはかなり丈夫に改善されていて、少なくともネックの元起きなどはほとんど心配がなくなったように思うし、ネック自体もマホガニーとローズウッドの3プライ状態に張り合わせてあることでねじれにも強いはずだから、安心して使えるだろう。

 昨年からまた「ギター欲しい病」が再発して以降、Mountainを3本、K.Yairiを2本、そして今回のYAMAHAを2本も買ってしまった。そしてそのすべてがトップは単板だがサイド・バックは合板のものばかり。それでも鳴りっぷりに不満は感じない。
 いままでは、トップとバックは単板が欲しいがサイドは合板でもいいじゃないかと思っていた。実際にソモギなんかはそのやり方だし、そのほうが丈夫になるしね。でも最近はバックも合板だっていいんじゃないかと思うようになった。前述のギターたちがそれを証明してくれているからね。
 「そんなことはない、やはりギターはオール単板でなければだめだ!」と思う人もいるだろう。そういう人はよほど耳が良いか、あるいはプライドが高い人なんじゃないだろうか。腕時計に例えればロレックスでなきゃダメだとか、クルマだったらメルセデスでなきゃだめだとか。でもぼくは腕時計なんてダイバーソーラー電波時計であればブランドなんて何でも良いタイプだし、クルマだってターボがついてれば軽自動車で満足できる。ギターは長年かかってやっと満足できるMartin D-28とLarrivee L-28を見つけたから、それ以外はぶっちゃけ何でもいいのかも知れない。
 それは半分冗談としても、オール合板のギターだって材と造りさえ良ければかなり良く鳴るものはできるのである。良い合板とたいしたことない単板とではどっちがいいか大いに迷うところもある。だが最終的には選ぶのは自分であり、自分が出てくる音に満足できるのであればそれでいいわけだ。人の意見なんてどうでもいいのですよ。

 何にしても、YAMAHAはやはりすごいメーカーだと思う。今回のLJ6たちはそれを改めてぼくに教えてくれた気がする。特に今回の改良は大きく、ノンスキャロップにした以外にもブレースの形状を少し変えたことと貼る角度を変えたことが大きいように思う。個人的にはYAMAHAにはスキャロップの音作りは今ひとつ似合わないんじゃないかと感じていたこともあるので、何と言うか「我が意を得たり」的な嬉しさがあるんだよね。

 また、ぼくにはGibsonは必要ないけれど、今回のLJ6たちをゲットしたことで、Guildも必要がなくなった気がする。Guildは以前にJF-30やD-40などを使ったことがあるけれど、本当に好きな音のF-30RやF-50Rにはどうしても手が出せなかった。ジョン・デンバーなどの影響もあるし、音的には大好きな楽器ではあるんだけど、自分で弾くとなるとその弾き心地や重さがどうしても気になってしまってだめだったのである。その点今回のLJ6たちはそこまで重くないし、音色的にも共通点が多いために充分にGuildの代わりが務まると思っているから、その意味でも買って良かったと思うのでありました。(*^^*)

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