YAMAHA LJ6(2005・2011)その後・2

2019年05月19日

 というわけで(どういうわけだ)2本のLJ6コンビは絶好調だ。優等生の2005のほうは相変わらずレンジも広く質も良く爽やかに鳴り響いてとても気持ちがいいし、2011のほうも少しずつ鳴り方が変わってきて2005のそれに少しずつ追いついてきたような感がある。なぜか低い方は最初から2011のほうに分があるが、2005のほうもバランス的にまったく問題ないくらいの低域の量感はあるから、どっちかというと2011のほうが現状では低いほうがやや出すぎと言ったほうが適切だろう。でも出ないよりずっといい。

 この2本をしばらく弾いていて感じたことは大きく分けて2つある。1つめは「YAMAHAのギターはずっと進歩し続けているなあ」ということであり、もう1つは「古いFGたちともどこか共通点があるなあ」ということだ。作りも時代とともに改良を重ねてずいぶん丈夫になっているようだし、以前に比べたら比較にならないくらい安心して使える楽器に進化していると思う反面、出てくる音はどこか懐かしい伝統のYAMAHAのサウンドだと感じる。これを感じさせるというのはやはりたいしたものだなあと思わざるを得ない。やっぱりすごいねYAMAHAって。

 最後にボディのことに触れておきたい。今回はじめて「LL」でも「LS」でもない「LJ」のボディを2本仕入れたわけだが、いわゆるジャンボタイプのLLサイズボディは以前に何本も試したことがあるし、現在でもFG-600Jが我が家にある。またフォークタイプのLSサイズボディも今は自宅にはないが以前にFG-250、同130、同170、そして同402というのを持っていたことがあり、音の出方はこちらも知っているつもりだ(全部手放してしまったのは音が嫌いなのではなく小さなボディがぼくには弾きにくかったからだ)。
 そこで今回のLJだが、数週間弾いてみた結果、かなり気に入っている。音量やサスティンはLLと同等かやや少ないくらいでほとんど変わらないが音の立ち上がりは逆に少し速い気がする。もちろんLSよりはもちろん遅いけれどLLよりはちょっとだけ速い。つまりはLLとLSの中間からややLL寄りなのがLJだと理解している。
 もっとも気に入ったのがボディのクビレが深いために膝の上にすっぽり収まること。座って弾く際にこれくらい安定して抱えておけるギターも珍しいと思う。もちろん他のブランドでもスモールジャンボなどのボディなら似たような感じにはなるだろうが、今までのYAMAHAのその系統のボディよりも抱えやすいように感じる。これはおそらくクビレの下の部分のサイズも関係しているだろう。今までのYAMAHAのジャンボサイズよりひと回り小ぶりになっているのが功を奏しているのだと思う。

 というわけで(どういうわけだ)今回のLJ6コンビは大変気に入っている。造りが丈夫なので外へ持ち出すギターとしても最適だろう。クルマならいざしらず、電車で抱えて出かけるときなどは充分気をつけて持ち歩く必要があるが、LJ6なら付属のケースがセミハードケースで軽量なこともあり、お出かけ用ギターにはうってつけだ。しかも鳴りっぷりにもまったく不満がないから充分に役目を果たしてくれるだろう。

 国産ギターにも素晴らしいブランドがいくつもあるが、個人的にはその中でも現在ではYAMAHAとK.Yairiが両横綱ではないかと思っている。その理由はガチガチの硬質な音でなく耳当たりが良いことと、ともにオリジナリティの高い製品をたくさん出していることだ。YAMAHAは最初からだし、K.Yairiは以前こそMartinコピーばかりだった時代もあるが、現在ではむしろオリジナリティの高い製品の割合が多くなっている。これは高く評価すべきではないだろうか。あくまでもぼく個人の考えと好みだが、コピー製品はあくまでもコピー製品であり、本家があってのコピーでしかない。仮に造りだとかスペック上の数値でコピー製品が上回り、また実際の聴感上の音色までコピーできたとしても、そこまで来ると今度は本家よりも高価格になってしまう場合がほとんどだ。ぼくはそんなコピー製品には魅力を感じない。
 メーカーたるもの、オリジナリティで勝負してほしいとつい思ってしまう。クルマで言えばトヨタにはトヨタの、ホンダにはホンダの、スズキにはスズキの良さがあるようにね。

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