LowdenとLarriveeについて

2019年03月21日

LowdenとLarrivee。ともに大好きなギターのブランドではあるのですが、前者は一時期5本も集めたのに現在では1本も手元に残っていないのに対し、後者は安価なものを2本試して両方とも放出した後に、ヴィンテージものに値する高級機種を1本ゲットしてそれを大切に愛用しています。

では両者の違いはいったい何なのかというと、あくまでぼくの使い方の場合なのだが、前者は華奢でぼくには使えないが後者は丈夫でぼくにも使える、という点に尽きます。音色的には甲乙つけがたいんですけどね。

具体的にはLowdenはトップの材が薄く、ブレースも強度を増すようには造られておらず、あくまでも鳴りの良さと繊細さを重視しています。その結果はトップ材の強度の弱さとなって現れています。つまり演奏後は弦を緩めないとすぐにトップの板が変形してしまうのです。ぼくの場合は3日も張りっぱなしにしておくと目で見てもわかるほどにブリッジ付近が盛り上がっていました。ぼくのギターの使い方は一度弦を張ったら(チューニングしたら)最低でも2週間から1ヶ月、長いときは2ヶ月ほども張りっぱなしで使い続けることがあるので、Lowdenのように華奢な楽器はとても使えないのです。つまりLowdenはぼくには向かない楽器なのだと悟ったのでした。とはいえ、演奏後に弦を少し緩めることが面倒に感じない人、演奏前にいちいちチューニングをし直すことに抵抗を感じない人にとってはその素晴らしいサウンドで最高のギターの一つにもなり得ます。楽器のほうが使い手を選ぶのですね。 それがLowdenというギターなのだとぼくは理解しています。

一方Larriveeはというとトップの材の厚さは普通、ブレースも基本的にはノンスキャロップで、その配置が完全に左右対称であることは珍しいけどそれ以外は特筆すべき事はないように感じられますが、それでいてその鳴りっぷりはLowdenに勝るとも劣らないほどに素晴らしい。豊富な倍音に分離の良い一音一音 が明確な美しいサウンド、音量もバランスも文句ありません。強度も充分にあるからぼくのような不精な使い方をしても充分に耐えられます。Larriveeは安価なモデルから高級なモデルまで幅広いバリエーションを揃えていまるが、いずれもその価格に比例して文句のない素晴らしいサウンドが期待できます。そしてLarriveeは使われている材がまたすごい。Larriveeは自分のブランドでギターを作る以外に楽器の材のサプライヤーも営んでいるくらいで、自社の楽器の材はその中でも上級のものが使えるのです。つまりはコスパがすごく高い。これもまさにぼく好みだ。ということで、LowdenでがっかりしたぼくはLarriveeに救われたのでした。

現在ぼくの手元には80年から81年にかけて造られたL-28というギターがあります。これはぼくにとって究極のLarriveeで、Larriveeが素晴らしい楽器をたくさん世の中に出していても目移りしないで済んでいるのはこのギターのおかげです。どれくらい気に入っているかと言うとやはりぼくの手持ちのMartinのギターの中でも飛び抜けた実力のD-28'59のおかげでMartinのみならずギター探しが一段落したことがありますが、L-28はそれと同じくらいの存在感を持っていると言っても過言ではありません。

まとめると、Lowdenは音色や演奏性はとても素晴らしいがあまり安い機種がないし流通量も少ない。強度も弱く繊細な楽器なので使い手を選ぶという欠点があります。それに対してLarriveeは比較的安価なモデルから揃っていて当たり外れが少なく選択肢が豊富でしかも鳴りっぷりも素晴らしい。となれば万人にお薦めできるブランドだと言えるでしょう。

ちなみに現時点でぼくがお薦めしたいギターのブランドと言えば、Martin、Larrivee、YAMAHA、それにK.Yairiです。長い時間をかけてこれらに落ち着きました(これ以外にも優れたブランドは数多くあるが、ぼくの好みでいうと音が硬すぎる。経年変化でマイルドになる可能性もあるが、少なくとも新しいうちはその音色の硬さを我慢しなければならないだろう)。これらの共通点は鳴りが良く丈夫で使い勝手が良く個体差も少なく価格を含めた選択肢も豊富で万人に推奨できることです。あくまでもぼくの好みの範囲で選んだ場合ですけどね。(*^^*)


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