2025年10月16日 知内浜オートキャンプ場に行った件など
以前から気になっていた、琵琶湖畔のオートキャンプ場。それが滋賀県高島市にある「知内浜オートキャンプ場」だ。推しの女子キャンパーたちが何度も行っている場所で、とても景色や環境が良さそうなキャンプ場だと以前から考えていて、いつか必ず行こうと思っていたところ、キャンプ仲間のS氏が行きましょうと提案してくれたのを喜んで受けた。S氏は神奈川県A市在住で、ぼくが中央林間駅まで電車で向かい、そこでS氏のクルマに拾ってもらって、一緒に琵琶湖に向かうこととした。
日程は2025年10月14日~15日。天気は終始生憎の雨ではあったが、琵琶湖や動画で見たことのある景色を直接見ることができて嬉しかったし、聖地巡礼みたいなこともしてきた。青空は見られなかったけど、大満足だった。
往路の道中、静岡県内を走っていたとき、キャンプ場の管理人さんから電話があった。もし正午より前に到着するようなことがあったら、作業中で受付を留守にしているかも知れないということをわざわざ知らせてくれたのだ。その時点の予定では早くても14時から15時くらいになってしまうから大丈夫だと伝えたが、親切だなぁと思った。
とは言っても、キャンプ場に到着した時点からけっこうな風が吹いていた。二人がかりでタープとテントを設営し、ぼくはタープの下にバンドックのソロドームを張らせてもらい、S氏はフィールドアのカマボコテントを設営し、寝るまではほぼカマボコの中で過ごすこととなった。設営途中から雨が本格的に降り出したためだ。お籠りだと一人だったらさぞ退屈したと思うから、ガチで2人いて良かったと思う。
設営後、すぐに薄暗くなってきたので、夕食の準備をした。メニューはもんじゃ焼きとすき焼きだ。じつは夕方、数時間だけ京都在住のキャンプ仲間のHさんが合流してくれることになっていたので、彼女のリクエストでもんじゃ焼きを入れたのだったが、S氏はプロの調理師で、さっさと手際よく調理をしてくれるので、ぼくは何もしなくて済んでしまう。というより、むしろ下手に手を出さないほうがいいくらいなのは自覚している。Sさん、ほんとにありがとう。
Hさんは予定どおり数時間程度で帰ったが、問題はその後だった。スマホの防災速報が何度も出てきて、更新されるたびに雨量が増えていくのだ。一番酷かったのは23時頃に1時間で95mmの雷雨になったときだった。強風に豪雨、しかも激しい雷。カマボコテントは激しく揺さぶられ、ペグが抜けないかと心配になるほどだったが、幸いしっかり耐えてくれた。ただ、ベンチレーションがないテントなので、かなりの結露が発生し、それが風で揺れるたびに、雨のようにポタポタ垂れてくるのには弱った。テーブルの上などはビチャビチャになったほどだが、テントの破損もなく、しっかり耐えてくれたのはありがたかった。ほぼ砂地で水はけの良い地面だったこともあって、泥濘むこともなかった。
日付が変わって少しすると、やっと風雨がいくらか弱まってきたので自分のテントに戻り、S氏のクルマを風よけにセットしてくれたのが功を奏し、雨はかなり盛大に吹き込んでは来たものの、タープのおかげで雨音もそこまでうるさくなく、4時間半ほどは爆睡できた。今回は電車で家から来たこともあり、マットはS氏にお借りしたものだが、インフレータブルマットとクローズドセルマットを2枚重ねて使ったので、とても快適に眠ることができた。枕は持っていかなったため、来ていたジャージの上着を折りたたんでタオルを載せて代用した。 寝袋は持参のキャプテンスタッグの夏用だが、気温は20度くらいあったこともあり、充分に暖かく、快適に眠れた。なのになぜ4時間半で目が覚めたのかと言うと、種類のわからない鳥が突然派手に鳴き出したからだ。その声がうるさくて、一気に目が覚めてしまった。外を見るとまだ薄暗かったが、雨も風もほぼやんでおり、前日の荒天が嘘のように静かな湖畔に変貌していた。やっと琵琶湖の美しい姿を見ることができたのだ。すかさずスマホで撮影をしたり、トイレに行ったりしているうちに、S氏も起きてきた。彼も例の鳥の声で起こされてしまったらしい。
幸い、朝食の準備をしている間は雨に降られず、バローというスーパーで買ったバゲットとオムレツ、サラダ、焼いたソーセージをゆっくりと食べた。不思議なもので、食べている間も雨は降らずに済んだのに、食べ終わったあたりからまた雨が落ちてきた。まだ時間は早かったが、本降りになる前に撤収してしまおうということで、急いで撤収した。本来はチェックインが13時から、チェックアウトが12時なのだが、撤収した時点で9時過ぎ。昼食はマキノ駅ちかくの定食屋「蕪(かぶら)」で食べようと決めていたから、それまで少し観光をしようということになり、まずは知内浜オートキャンプ場の南浜に向かった。ここは北浜と南浜の2つに分かれており、ぼくらが滞在したのは北浜だったから、南浜も見学しておこうと思ったわけだ。また管理棟は北浜にも南浜にもあるが、北浜は受付の他は薪くらいしか売っておらず、南浜にはずっと大きい管理棟があって、OD缶、炭などの消耗品や氷、アイス類なども売られている。そこで周辺のパンフレットを貰い、ステッカーを記念にデザイン違いで2枚購入し、南浜の中を少し見学してからキャンプ場を出た。個人的には北浜と南浜で一長一短だと感じた。北浜は湖岸までなだらかに下っており、湖水浴などもしやすいが、少し傾斜はあるから、テントを設営するのに注意は必要となる。一方南浜は、平坦な松林の中にあり、湖岸からは少しだけ離れるが、キャンプそのものはしやすいように感じた。つまりどっちもどっちだが、個人的には北浜のほうが琵琶湖をダイレクトに感じられる気がして好きかも知れない。いずれにしても、北浜・南浜とも感じの良い管理人さんたちの対応といい、環境といい、景観といい、水はけの良さといい、設備の充実性といい、かなり素晴らしいキャンプ場だと感じた。ひとことで言えば居心地の良いキャンプ場だと言っていいだろう。ここは必ずリベンジしなければと、心に誓った。
知内浜オートキャンプ場を出て、マキノピックランドに向かった。途中で有名なメタセコイア並木の道を通り、マキノピックランドに入る。道の駅のような感じのところで、カフェがあったり、栗拾いができたり、ジェラートが名物だったりするようだ。栗拾いができるから「ピックランド」なのだろう。建物内部も少し見学したが、琵琶湖周辺の「狼煙駅伝」なるものがあるのを知ったり、改めて地図を見て、高島市は福井県や京都府との県境の街なのだということを再確認したりした。西側には「朽木」という地名も残っており、関ヶ原にも出陣した「朽木元綱」などはここから出たのかな、などと思ったりした。カフェで少しのんびりしようかと思ったら、まだ10時くらい。開店が11時なので、まだけっこうな時間があることがわかったため諦めて、次は「マキノ高原」に向かった。ここにもキャンプ場やスキー場があり、きれいな芝が広がっているところだ。温泉もあるが日陰がないので、真夏以外はいいかなと思ったりした。そこを少しだけ眺めて、次にマキノ駅に向かった。
マキノ駅はJR西日本の湖西線の駅で、知内浜オートキャンプ場まで徒歩15分ほどにある最寄り駅だ。カタカナなのは、大阪にある牧野という地名と区別しやすくするために決めたそうだが、ユニークだ。推しのキャンパーたちがこの駅を出て近くのファミリーマートで買い出しをしたりしているので、その道路沿いを少し散策したりしながら、Nさんが到着するのを待った。Nさんというのは前述のHさんと同様に、キャンプつながりで知り合った女性で、現在絶賛子育て中。ご主人や息子さんたちにキリキリしながらも頑張っているらしい。チンクエチェントのアバルトを愛車にしており、昔はサーキットでバリバリ走っていたそうだから、女傑である。チンクちゃんはすでに10年以上乗っているらしく、最初はまったくトラブルがなかったが、最近はあちこちが傷んできて、いろいろパーツ交換などをしているらしい。かなり愛情をかけてもらって、チンクちゃんは幸せだなぁと思った。Nさんは前日は来られなかったが、せめて一緒にお昼でもということで、神戸からわざわざ2時間もかけて我々に会いに来てくれたのだった。HさんもNさんも、忙しい中を、ほんとにありがとうございます。
マキノ駅のすぐそばに「蕪(かぶら)」という定食屋がある。夜は居酒屋になるのかも知れないが、良さげな店だったのと、推しのキャンパーたちがそこを使ったことがあることから、2日目のお昼はそこで食べようと言うことにし、それに合わせてNさんが来てくれたというわけだ。
日替わり定食があり、その日は水曜日だったので、唐揚げ、メンチカツ、エビフライと小鉢の漬物、甘い豆の煮付け、味噌汁だった。3人ともそれを選び、Nさんは小ライス、S氏は中ライス、ぼくは大ライスを頼んだが、けっこうご飯の量があったので、かなり満腹になった。けっこう待たされたと感じたが、揚げたてだったのでとても美味しかった。都内とかではこの調理の遅さじゃとても商売にはならないなと感じたが、こういう場所ならゆっくり味わえて、重宝されるお店だろうなとも思った。
食後、Nさんと別れ、S氏の愛車の軽バン「クリッパーターボフルタイム4WD」で帰路についた。今回は往復ともすべてSさんが運転までしてくれたので、めっちゃ助かった。途中で賤ヶ岳古戦場や小谷城、長浜などの地名が出てきて、歴史探訪をしているような気分も味わえて、ちっとも退屈しなかった。幸い渋滞にあうこともなく、何度か休憩しつつ、スムーズに神奈川県まで入ることができた。19時半くらいに中央林間駅に着き、Sさんと別れ、田園都市線に乗って帰路についた。始発駅だからずっと座りっぱなしで行けたので、ほんとに助かった。
こんな感じで、終始雨に降られっぱなしのキャンプと行程ではあったが、S氏やHさん、Nさんたちのおかげで、めっちゃ楽しい旅となった。
Sさん、今回もほんとにお世話になりました。いつもありがとうございます。またよろしくです。