2023年3月28日~29日 浩庵キャンプ場など
3/28-29と、休暇をとって一泊二日でキャンプに行ってきた。じつは3/27-29と3連休をとっていて、当初は二泊三日で「ふもとっぱら」に行く予定だったが、あいにく天気に恵まれず、やむなく日程を短縮して場所も「洪庵」に変更したのだった。同行者は大阪のY氏。以前も一緒にキャンプをした仲である。現地集合、現地解散となるが、待ち合わせ場所は食材などの買い出しを兼ねて「マックスバリュ富士河口湖店」となった。
高速道を使うかどうか迷った末に、下道で行くことにした。というのはその時間帯が雨予報で、たとえ高速に乗ったとしても雨天のため速度制限がかかってある程度の時間がかかってしまうのならもったいないと考えたためだ。深夜3時頃に自宅を出発し、
国道16号をひた走り、川越に来たあたりから予定どおり降り始めた。そこから狭山、入間を経て福生に至ってもずっと降り続けていた。深夜なので道路が空いていたからまだ良かったが、久しぶりの夜間の運転、しかも雨中とあって、けっこう神経を使いながら走っていった。
神奈川県に入り、相模原を抜けていよいよ山梨県の道志方面に向かったが、この国道413号線というのがけっこうな山道で、雨がいよいよ激しくなってきたこともあり、まったく気が抜けない。
「道志川温泉紅椿の湯」あたりを越えるとようやく山道というかつづら折りの道が少なくなり、普通の道っぽくなってくる。同時に夜も明けてきて、心なしか雨粒も小さくなってきた。道志村に入り「道志みち」の標識が出てきた先に「道の駅どうし」があったので、まずは休憩しようとクルマを停めた。まだ雨は降り続いていたが小雨のため、トイレに行く程度なら傘は必要なかった。クルマに戻ってからしばし考えた。睡眠不足で出てきたわけだから、どこかで仮眠しなければ後で疲れるし、集合時刻までには充分な時間がある。問題は「道の駅どうし」で仮眠するか、あるいは最初の目的地にしていた「道の駅富士吉田」まで行ってから仮眠するかだ。「どうし」は駐車場のキャパが95台あると言うが、時間帯によって閉鎖している場所があるらしく、一見したところではその時間帯はたいして停められそうな感じがしなかった。その時点ではクルマの数はさほど多くないから、ここで仮眠してもまず問題はないだろうと思われたものの、周囲に休憩場所は他に見当たらないから、時間が経つと混んでくるかも知れない。いくら仮眠とはいえ休みたくても入れないクルマが出ては迷惑になる。その点「富士吉田」はキャパシティがさらに大きいし出入りも多いから、1台くらい仮眠していても問題なかろうと判断し、そのまま一気に「富士吉田」まで行くと決めた。そのほうがはるかに集合場所に近いし、ゆっくり寝られるという気持ちもあった。
しばらくして朝7時ちょい前に「富士吉田」に到着した。やはり駐車場が広いし、かなり空いている。これならいくら寝ていても大丈夫だろうと、Y氏に居場所と仮眠することを連絡した。寝床は家を出る際にあらかじめ造っておいたので、すぐ寝袋に入れる。今回使用した寝袋は仕入れたばかりの「Soomloom」のダウンシュラフである。発売当初はその性能の割にかなりの低価格でコスパ抜群と話題になったものの、一部では「獣臭が酷い」と言われることもあった製品だ。最初は何年持つのか(ロングセラーになるまで支持され続けるほどの製品なのか)と思い、しばらく様子見をしていたが、数年経過しても相変わらず売られ続けているところを見ると、ある程度定評を得たようだ。そろそろ試しに買ってみるかと、6種類あるシリーズの中で上から3番めのダウン量1kgのものを選んだ。これは使用温度-10度から+5度、最低使用温度-15度ということで、中華製だから多少性能を割り引いて考えても、下は多少の氷点下まで、上は夏以外の3シーズン程度は行けるんじゃなかろうかと考えたわけだ。これより上の製品だと冬しか使えなくなりそうだし、逆にこれより下だと完全に冬以外の3シーズン用となってしまうだろうから、ぼくの使用用途には合わない。まずまずの選択をしたと自負している。
実際にこのダウンシュラフに入ってみると、いわゆる獣臭はほぼ感じなかった。改良されたのかも知れない。横幅がややゆったりしていて、楽に動ける。長さも問題ないし、寝心地も悪くない。時間はたっぷりあるので、とりあえずこのまま寝ることにした。道の駅の駐車場なので爆睡は困難だが、けっこう気持ちよく眠れた。クルマの前席を倒し、段差を三角マットで埋め、その上にここ数年愛用している「QuickCamp」 の8cm厚のインフレータブルマットを敷き、その上に今回のダウンシュラフ。枕はこれも数年愛用している「CaptainStag」のインフレータブル枕であるが、それぞれけっこう気に入っている。
ちょうど2時間ほど寝たあたりで目が覚めた。というのは道の駅の開店が朝9時で、そのアナウンスが繰り返し流れ始めたからだ。逆に言うとそれまではしっかり寝られていたことになる。寝始めた時点の気温は4.2度、目覚めた時点は同じく5.3度だった。車内で3月とは言え決して暖かくはない気温だったが、ちゃんと暖かく眠れた。使用温度-10度から+5度、最低使用温度-15度の枠内の上限近くだったが、意外と適正な表記なのかも知れない。これは本格的な冬キャンの時期にも使えるかも知れない。期待感が沸いてきたぞ。
とはいえ氷点下まで使える寝袋はすでにコールマンの2種がある。万が一に備えてそれらのいずれかも予備で持っていければ万全だろう。クルマなら問題ないが、徒歩キャンだとコールマンのはどちらも化繊だから収納サイズがでかい。徒歩キャンの場合はそれが嫌で、今回比較的小さくなるダウンシュラフを仕入れたのだ。
話を戻すが、目が覚めた時点でまだ朝の9時。集合時刻は正午だから、まだまだ時間がある。もう一眠りしたかったが、繰り返されるアナウンスにうんざりし、あきらめて起きることにした。空腹だったので軽食でもということで向かったが、軽食コーナーは朝10時が開店だった。仕方なく土産物を物色し、ついでに夕食のシメに食べようと「吉田うどん」の生麺を仕入れて、集合場所の「マックスバリュ富士河口湖店」に向かった。
Y氏は先に到着して待っていた。先に隣接しているダイソーに行ってハンマーやウェットティッシュなどの小物を買い、続いてマックスバリュで食材を仕入れた。浩庵キャンプ場のチェックインが午後3時からだったので、まだまだ時間があることから、個人的にけっこう愛用している「道の駅なるさわ」に向かった。食事をとり、例の美味いトマトを仕入れ、さらに富士の湧き水も汲めて、しかも駐車場の数もそこそこある。なんともありがたい道の駅なのだ。そこで昼食とデザートの富士桜ソフトをいただき、雑談などして時間を潰してからやや早めの午後2時半ごろに「なるさわ」を出発して洪庵に向かった。
2時50分ごろに洪庵に到着し、少し待ってからチェックインし、キャンプ場にクルマを乗り入れたが、さすがに午後3時からだといい場所はあまり空いていなかった。人気の湖畔はほぼぎっしりで、上の段のサイトも見晴らしがいい場所はほぼ埋まっていた。やむなくトイレの近くの上の段の建物の横にベースキャンプをつくり、富士山が見たいときは数歩だけ歩いて林を抜けることにした。結果的にはなかなかいいサイトだったかも知れない。ただしときおり小雨がぱらついたりして、終始曇りだったので、富士山はこの日は一度も拝めなかった。
久々にY氏と会ったので話も弾み、飲んで食べて大満足だった。早々に酔っ払い、午後9時半くらいには2人とも寝床に入ってしまった。Soomloomのダウンシュラフは自分で確認したこの日の最低気温3.5度程度ではまったく問題なく暖かく眠ることができた。おかげで午前3時ちょい前くらいまでは一度も目覚めず爆睡していたが、人の話し声で目が覚めた。ひそひそ話ではなく明らかに普通の時間帯の調子の談笑である。時刻を見るとまだ3時前、深夜である。薪が爆ぜる音もするから、まだ焚き火をやりながら話しているに相違ない。こんなアホどもが居るからまともなキャンパーたちが迷惑するのだ。どうせ言っても聞くような連中ではないだろうし、気にせず寝ようと思っても話し声がうるさくて寝付けない。何とか呼吸を整えて、せめて体力を回復しようと頑張っていたら、やっと4時頃に話し声が途絶えた。ようやく寝たようだ。やれやれと思っていたら、エアマットをポンプで膨らませる音が始まった。あのアホども、寝床の用意もしていなかったのか。もう話にならないと呆れたが、ポンプの音がやんだらさすがに静かになった。これでやっと、また眠れるようになった。
その後一時間ほどまどろんでいたら、周囲が明るくなり、鳥の声も聞こえてきた。もう朝になっちまったか、天気は回復したかなと考えていたら、ちょうどY氏が起こしに来た。富士がよく見えていると言う。これは嫌でも起きなければと、速攻で飛び出した。たしかによく見えている。やはり富士山は端正で美しい。本栖湖側から見ると周囲の景色も抜群だ。雲の形が変わるたびに何度も写真を撮影し、動画も何回か撮影し、富士を眺めながら朝食をとった。不思議だったのは、朝に食べようと思っていたウインナが無くなっていたことだ。ブランドは「香燻」である。クーラーボックスは閉めてから寝たのをはっきり覚えているが、他の食材はあってもウインナだけが見つからない。間違いなく購入していた。となると誰かに盗まれたのか。しかし人間ならまるごと食材を盗むはずだし、かと言って動物がクーラーボックスを開けてまで盗めるものだろうか。人間でも少しなら気が付かないかと思ってウインナだけ盗んだ可能性もあるな。謎は深まるが、幸い朝食用の食材は多めに残していたので、充分に食べることができたし、諦めるしかない。
前の日はまったく富士山を見られなかったので、そのぶん短時間だがじっくりと霊峰富士を鑑賞した。充分満足の行く眺めだった。来てよかったと、心から思った。
時間は刻々と過ぎていく。後ろ髪を引かれながら撤収し、チェックアウト。洪庵を出たところでY氏とは逆の方向に別れ、それぞれ帰路に着いた。帰りは高速道を使うことに決めていたから、河口湖インターを目指したが、途中で気が変わってもう一度「道の駅なるさわ」に寄ることにした。トイレと飲み物の補充、それにあそこからの富士を眺めることが目的だ。いつもの駐車場に停め、愛車と富士のツーショットを撮影して、河口湖インターに向かった。この日はほんとに富士がきれいに見えた。
中央道は終始気持ちよく流れていて問題はなかったが、圏央道に入ると青梅付近で多少の渋滞があった。完全に停止してしまうほどではなかったので良かったが、渋滞の表示が出ると嫌だよね。
最寄りのインターの手前が工事のため車線規制をしていて渋滞していると表示があったので、予定の2つ手前のインターで高速を降りた。すぐによく通っている道に出たので、ホッとした。途中でいつもの「ジェーソン」で食材を仕入れ、次にガソリンの補充と洗車のためにGSに寄った。先日の秩父のときも今回も大雨の中を長時間走ったので、さすがにクルマが汚れまくっていたからだ。今週末にはまた長瀞方面に行くので、汚いまま放置するわけには行かない。これで愛車スラ吉くんもきれいになって満タンになった。スラ吉くん、お疲れさま。今回も良い旅をありがとう。
それにしても、やっぱり高速道は速くて楽だ。天気さえ良ければだけど、距離が100kmを超えるようならやはり高速道を使いたいね。下道だと約4時間以上かかるけど、高速を使えば約2時間半くらいでいける。時間にして約5/8だが、下道のほうが信号や交差点もあるし、より神経が疲れるから、疲労度は比較にならない。そう考えるとやはり「時間をお金で買う」というのは正しいね。下道には下道の楽しさもあるけど、時間と心にゆとりがなければ下道は使えないもんね。