2022年5月3日予科練平和記念館(茨城県阿見町)
GWになった。どこへ行っても混雑しているのは知っているが、まったくどこにも行かないのも寂しいと思い、比較的近いところとして茨城県阿見町の「予科練平和記念館」へ出かけた。ここは過去に何度か行っている「霞ヶ浦総合公園」から、ほど近い場所にある。まさについでに寄れるほど近いのだけど、コロナ渦のためにしばらく閉館していたりして、なかなか行く機会がなかった。今年のGWはやっと制限のない行動が許されたので、確認したら、今日は空いていると言うので、友人の「きゃめる」ことM氏を誘って行ってきた。
M氏は霞ヶ浦総合公園にも来たことがあるので、そこで合流しようと思ったが、さすがにGWというべきか、公園内の駐車場はどこも満車で入れられない。やむなく直接予科練平和記念館に行ってみることにしたが、ここも正門側の駐車場は満車状態。困ったなと思ったが、観ると臨時駐車場が記念館の裏側にあるらしいので、そちらへ回ってみたら、けっこう空いていた。やれやれと思ってそこへ停め、M氏にも連絡してそこへ来てもらい、無事に合流できた。
臨時駐車場は記念館の真後ろにあり、隣接しているので、歩いて簡単に行ける。真っ先に目についたのは、ゼロ戦21型の実物大模型だった。天気も良かったので、屋外展示していたのだ。別の場所には屋外の常設展示らしい人間魚雷「回天」の模型もあった。
平和記念館が現在も人数制限をしていたことは現地で知った。本来は予約が必要だったようで、失敗したかなと思ったが、係の人が次の時間の予約カードをくれたので、その待ち時間を有効に使うべく、先にそばにある庭園の「雄翔園」と、 遺品を収蔵している博物館の「雄翔館」を見学した(こちらは無料で入れる)。靖国神社の「遊就館」もそうだが、当時の人たちの字の上手さには感服するし、遺品の服などを見るとどれも小さく、小柄だったんだなと思わされる。
予約の時間が来たので記念館に戻り、入場料を支払って中に入った。いきなり土門拳の撮影した綱引きの写真が目に入る。それ以外にも要所要所で土門拳の写真が出てくるが、これらの写真は戦後になぜか本人が処分してしまったのに、予科練関係者がたまたま保管していたものを展示しているそうだ。よくぞ保管していてくれた。
展示は予想以上に充実していた。実際に使われていた衣納袋やハンモック、当時の雑誌やポスター、 九三式中間練習機「赤とんぼ」の帆布の実物の一部なども展示されていた。空襲をテーマにした短編映画も見ることができるし、物品を販売しているショップもある。この充実ぶりで入場料¥500は安い。真面目な話、関東近郊の人ならぜひ訪れるべきだと思う。
記念館を後にして痛感したのは、現代に生きる我々がいかに未熟で幼いかということだ。平和に慣れすぎているためというのあるが、それにしても先人たちに対して恥ずかしい。戦後教育、自虐史観、そして核家族といったものがどれほど日本人の心を骨抜きにしてしまったのかと痛感する。
もう一度言う。ぼく自身も含めて、今の日本人は恥ずかしい。先人に顔向けできないぞ。