軽ハイトワゴンについて
表題の意味は、ぼくの愛車であるN-BOX SLASHや、N-WGN、ハスラー、タクト、ワゴンR、ムーブ、ekワゴンなどの軽自動車が分類されているカテゴリーである。
現在もっとも人気があるのはN-BOX 、タント、スペーシア、ekスペースなどの「スーパーハイトワゴン」というカテゴリーになり、アルト、ミラなどの昔からあるごく普通の軽自動車(と言ってもハイトワゴン系から比べると背は低くなる)のカテゴリーも残っている。
我が家ではN-BOX SLASHとハスラーの2台の軽ハイトワゴンを愛用しているが、なぜスーパーハイトワゴンを選ばなかったのか、あえてハイトワゴンを選んだメリットは何だったのか、などを書いてみたい。
スーパーハイトワゴンのメリットは広いことであるが、デメリットはどうしても重量がかさむことや背が高いため横風に弱いなど、走行性能や燃費がやや落ちることになる。逆にハイトワゴンは少し狭くはなるが充分な広さを持ち、重量も程々で収まることから走行性能や燃費もまずまずなのが最大のメリットとなる。つまりは、バランスがいいのである。これが我が家で2台の軽ハイトワゴンを所有している理由だ。
十数年前から、我が家では軽自動車ですべて事足りることを自覚するようになったため、運転免許所有者が4人いることで軽自動車の2台体制が続いているわけだが、いざというときにかったるいのはゴメンだから、ターボ車であることが必須となる(普段は静かに運転していても、高速道路の合流や、長い坂道に入ったとき、ノンターボ車だと加速できずイライラする事があるが、それが大嫌いなのだ)。できれば4WDであることも必要だが、現在はハスラーは4WDだがぼくのN-BOX SLASHだけはFFである。和歌山県のディーラーから破格の条件で中古で買った(実質は新古車)から、4WDは選びようがなかったし、後で気づいたが、N-BOX SLASHに関してはFFのほうが燃料タンクが大きいため、ぼくにとっては都合がいいことも判明したので、こいつに関してはFFで満足している。
以前に乗っていた①ラパンターボ②ミニカ・トッポBJから乗り換えるとき、先にハスラー4WDターボを買った。ぼくもけっこう気に入っていたのだが、いつの間にか我が家の女どもに完全に占領され、還暦を過ぎたおっさんが乗るには恥ずかしいような車内の飾り付けになってしまったことから、ぼくもやむなく自分専用のクルマを買い替えることにした。
いろいろ試乗した結果、最後の候補としてN-BOXが残った。やはりよくできたクルマだと思ってディーラーに行ったら、横にN-BOX SLASHがあった。それまでは存在を忘れていたので、本家N-BOXとターボ同士で試乗させてもらったところ、ぼくは圧倒的にN-BOX SLASHのほうが気に入った。乗り味、加速、走行安定性、横風に対する耐性など、前面ガラスの面積が少し小さい以外はすべてN-BOX SLASHのほうが気に入ってしまったのだ。これによってN-BOX SLASHを購入することを決めたが、問題は納車時期だった。おりしも本家N-BOXがフルチェンジする直前であり、新型を全力で生産している状況だったらしく、N-BOXも在庫のみ、派生車種のN-BOX SLASHに至っては早くて半年待ち、どうかするとそれ以上かかると言われてしまった。とてもそんなに待ちたくはないので、そのディーラーには申し訳ないが、中古車を探すこととした。
いろいろネットで探したら、N-BOX SLASHの中古車自体がかなり少ないことがわかった。ましてやターボの4WDとなるとほとんど出てこなくて、やむなくターボのFFも候補に入れて探したら、これはというのが2台見つかった。1台は天井が白でボディが赤の草加市の中古車店にあり、もう1台が現在のぼくの愛車で、天井が白、ボディが黒であるが、これは遠くて和歌山市内のホンダのディーラーだった。
さっそく翌日に草加の店に電話を入れたら「朝一番で売れてしまった」と言われた。近いのでその店のほうが良かったのだけど、これは仕方がない。
仕方がないので、続いて和歌山のディーラーに電話をしたら、まだ残っていた。良かったと胸をなでおろし、価格交渉をしようとしたら、「今朝下げたばかりですから、これ以上はちょっと・・・」と言う。え? と思ってWebを観たら、昨日に比べてけっこう下がっていた! 何という幸運!
これはもう決めるしかないと思いつつ、サイドバイザーを半額でつけてもらう交渉とか、リコールの補修が済んでいるかの情報などを確認し、最後に陸送費の相談をしたところ、「日程をこちらで選んでよければ無料にします」と言われた。おそらく、陸送の便の帰りに積ませるのだろう。
かくして、営業者登録のため初回の車検が2年めで来てしまうこと以外は全てが最高の条件で我が家に到着したのが現在の愛車「スラ吉くん」なのだった。
あれから4年、車検も2回経験したが、現在も絶好調である。飛び石で左のドアにポツ傷ができたりはしたものの、他にダメージはない。走行性能にも全く文句はないし、燃費も素晴らしく、街中を中心に少し遠乗りすればリッター20kmを超えることも多い。購入時には考えていなかったが車中泊も可能で、ぼくが充分に足を伸ばして寝ることができる。しみじみと思うことは、いままでぼくが乗ってきたクルマの中でベストの存在ではないかということだ。あらゆる意味でこんなに気に入ったクルマはなかったからだ。それが「軽ハイトワゴン」であったことは、偶然ではないように思う。あらゆる意味でよく計算されたカテゴリーのクルマ、それが軽ハイトワゴンなのではないだろうか。