愛車「スラ吉」くんについて
いつもギターのことばかり書いているので、今回はクルマのことを書きます。と言ってもぼくはクルマについてはマニアでもないし、それにかける予算もないから最近ではもっぱら軽自動車を愛用しています。現在のクルマはホンダのN-BOX SLASHです。2016年製のターボモデルで、中古で買ったけどもともとは和歌山市のホンダのディーラーがレンタカー兼代車として使っていたもので、ぼくの購入時には登録後1年で約6,000キロほどしか走っていなかったから、中古ではあっても新古車的な状態だったと言えるでしょう。
そんな状態で価格もかなり安くなった(本家N-BOXのフルモデルチェンジが確定したためSLASHも値下げされた直後に速攻で押さえた)けど、唯一の欠点は新車登録後の最初の車検が2年で来てしまうことでした。ディーラーが社用車としてレンタカーにも使えるような登録にしていたから2年で最初の車検が来るのでしたが、それは仕方がないと割り切りました。そもそも最初は頑張って新車を考えていましたが、N-BOXのフルモデルチェンジのためにSLASHの生産が止まっており、再開するのに半年くらいはかかると言われてしまったために待ちきれず、中古を探すと決めたからでした。結果的には車検が1年早く来る代わりに程度の良い新古車をけっこう安くゲットできたのだから運が良かったほうだと思っています。中古だから当然色は選べませんでしたが、ボディはブラックで天井だけホワイトのツートンカラーで、なかなか気に入っています。
SLASHにはなんとバックロードホーンのサブウーファーのついたサウンドシステムも用意されていたのですけど、ぼくのクルマには通常のオーディオしか搭載されておらず、最初はがっかりしました。しかし和歌山のホンダのディーラーの営業マン氏とやり取りしているうち、どうやらバックロードホーンのサウンドシステムは特定のナビとしか組み合わせができないらしく、それが壊れたら他のナビでは代用できなくなるということが解りました。ぼくは最低でも10年は乗るつもりで買い換えるのだから、将来的にナビが壊れたとして交換したくなってもバックロードホーン対応ナビがその時点でまだ生産されているかどうかはわからないし、ぼくのクルマについていた普通のオーディオシステムが意外にご機嫌なサウンドで鳴ってくれるので、これでいい、むしろこれでよかったかなと納得できたのでした。
ぼくがなぜ本家N-BOX、しかもすぐ新型になるものを待たずにあえて旧型の派生車種になろうとしていたSLASHを選んだのかと言うと、一つには希少性です。N-BOX SLASHは本家N-BOXに比べて圧倒的に台数が少ない。どうせならありふれている車種よりも希少な車種に乗りたいという気持ちがあったし、背が高いのが売りの本家N-BOXの天井をわざわざ低くして造ったN-BOX SLASHというクルマに、妙に惹かれるものがあったからです。購入にあたってはもちろんN-BOXとSLASHをどちらも試乗させてもらいましたが、ターボモデル同士なのに驚くほど乗り味が違っていました。ひとことで言うとほとんどの点でSLASHのほうがぼくの好みにマッチしていました。本家N-BOXが勝っていると思えたのは天井が高くフロントガラスが大きいために交差点で停まったときの信号機の視認性が良いことくらいで、それ以外の性能、具体的にはボディ剛性や横風に対する強さ、加速、乗り心地などはすべてにおいてSLASHのほうが上だと思いました。
理由を調べてみると、SLASHは本家N-BOXよりも110mmほど天井が低いためにそのぶん30kgほど重量が軽い。背が低いから横風にもそのぶん強いが、それでも同じホンダのN-WAGONよりは天井が高い。シャシーではリアのフロア周りに補強がされて足回りではサスペンションのセッティング調整、より径の大きなリアダンパーなどが採用されて本家N-BOXよりも強化されていたし、本家N-BOXのスライドドアと違ってピラーのある通常の開きドアだからボディの強度も高い。つまりは本家N-BOXに対してそのスペシャルティカー的な存在としてN-BOX SLASHが造られたのです。なるほどホンダがわざわざ天井を低くした派生車種としてSLASHを造るにはそれなりの設計とコンセプトがちゃんとあったのだなと納得できました。
これをもう少し調べてみると、このクルマを紹介しているサイトに次のような情報が出ていました。
「エンジンは直列3気筒DOHCの「S07A」で、自然吸気とターボを用意。スペックは前者が最高出力43kW(58PS)/7300pm、最大トルク65Nm(6.6kgm)/4700rpm、後者が47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104Nm(10.6kgm)/2600rpm。トランスミッションはCVTのみとなる。このようにパワートレーンはN-BOXを踏襲しているが、インジェクターの噴霧特性やECUの最適化、CVTのファイナルギアレシオ変更など、N-BOX スラッシュに合わせた変更が行われており、加速性能や燃費の向上を実現している。その結果、燃費はJC08モードで自然吸気の2WD車が最高25.8km/L、ターボの2WD車で最高24.0km/Lとなっている。」
これを観ても、ホンダはこのクルマを本気で作ったことがわかると思います。
改めてSLASHを観ると、けっこうカッチョいい。本家N-BOXがセダンだとするとSLASHはクーペみたいです。不思議ですがどことなく昔のホンダZのようなイメージにも重なるところがあるように感じるし、基本的にはボクシーなスタイルだから愛嬌もあります。フロント部分では丸目のヘッドライトが特に気に入っています。最近はLEDの細いヘッドライトなどが多くなっているから今後丸目のライトは貴重になってくるかも知れません。
それまで乗っていた三菱のトッポBJも乗り慣れれば悪いクルマではなかったと思うのですが、いかんせんターボ無しで馬力が足りなかったことは否定できません。普段は何の問題もないのだけど、高速道路などを走っていて周囲をトラックに囲まれそうになったときなどに逃げ出すことができないのは嫌でした。その点、今度のSLASHは馬力も充分で高速道路でもまったく不安がないし、ホンダのクルマには以前も乗っていたからか、操作性もどこか馴染みやすいところがあります。燃費もノンターボのトッポBJと同等以上ですからまったく文句なし。新型N-BOXに標準装備されているホンダセンシングのような機能はついていないけれど、あるに越したことはないという程度だと理解しています。
そんなわけで、ぼくのN-BOX SLASHは現在走行距離がようやく一万キロを超えたばかり。これからもよろしく頼むよ、スラ吉くん。(*^^*)