リタイヤ後の夢について・2
少し前に書いたリタイヤ後の夢についての続編である。現時点でどうしてもやりたいことは、車中泊の旅であると書いた。今ももちろんそう思っているが、問題はどのクルマで行くかである。それを少し考えてみよう。
現在我が家には2台の軽自動車がある。ぼく専用の愛車であるスラ吉くん(N-BOX SLASH)と、旧型になったばかりのハスラーである。どちらもターボ付きだが、ハスラーは4WDだから、雪の降りそうな時期ならハスラーを使うほうがベターではあるけれど、そこまで寒い時期や逆に暑い時期に旅をしようとは思わないし、ハスラーは通常我が家の女どもが占領しているから、ぼくが好きに使えるのはまずスラ吉くんに限られる。したがってぼくの旅の相棒はスラ吉くんでほぼ間違いない。
車中泊の旅というと、エブリィやハイゼットカーゴ等の軽バンを仕入れて内部を自分の好きなように架装しキャンパー風にするというのが流行っている。ぼくもそれを考えたことはあるし、実際に人気のあるやり方だけど、ぼくはやや否定的である。なぜかと言うと、実際に軽バンを買うにしてもカネがかかるし、寝るときは軽バンのほうがいいにしても、走行性能を考えると絶対にスラ吉くんのほうが優っているはずだからだ。
車中泊の旅と言っても、その大半は移動である。観光地なり道の駅なりに到着するまでの間の時間は、食事や休憩時間を除けば、ほとんど走っているわけで、走行性能が大きく物を言う。何度か軽バンや軽トラックを運転させてもらったことがあるが、それなりによく走ると言ってもその乗り心地や騒音などをトータルで考えたら乗用車にかなうはずもないというのがぼくの理解であり結論だ。そこで「荷室が広く快適な睡眠が期待できる」と「荷室は狭いが走行時の性能と快適さが優る」のどっちを選ぶかの選択となる。前者を選ぶなら軽バン、後者ならスラ吉くんだが、ぼくの性格を考えると、どう考えてもスラ吉くんのほうが良さそうだ。少なくともその走行性能や乗り味についてはまったく不満はないし、車中泊も何度もしており、ぼくでも足を伸ばして寝られることがわかっている。ベッド部分は軽バンの半分くらいの面積しか無いから寝返りするのも大変ではあるが、それも慣れてきたし、今では熟睡できるようになった。寝心地よりもむしろ周囲の騒音のほうがよほど睡眠に影響すると言っていい。
スラ吉くんはベッドが狭い反面、走行中に速度が出ないとか乗り心地が悪いとか音がうるさいといったストレスを感じなくて済むだろう。車中泊の旅といってもその時間の大半はドライブをしているわけで、気持ちよくドライブできるのはどっちのクルマかと言われたら、間違いなくスラ吉くんだろうし、ぼくは最低限の荷物しか持っていかないつもりだから、さほど広い荷室も必要ない。となればスラ吉くんで旅に出よう。そうすれば軽バンを調達する費用も必要なくなるし、そのお金で旅行の費用がまかなえるじゃん。燃費だってスラ吉くんのほうがずっと優っている。これだって長距離を走るとなれば無視できない差となるだろうから、燃費がいいに越したことはない。
そんなわけで、軽キャンパーが欲しいと思うこともあるけれど、車内で長時間を過ごすことを前提に考えなければ必要ないとも言えるし、軽キャンパーって言ってみれば走行性能的には軽トラックベースのクルマに常に4人乗車しているようなものだから、速かろうわけがない。ぼくはそんなに早く走りたいわけではないけれど、高速道路やバイパス道路への合流でアクセルベタ踏みでも思うような加速ができない、などというのは嫌だ。であれば、やはり愛車スラ吉くんで旅をするのがベストだろうなと思うのだ。