めっちゃ悩んだこと・クルマについて・2
前回は知人S氏所有の「エブラー(ハスラー風のマスクに改造したエブリィバン)」のオファーを受けたものの、やはり愛車スラ吉くん(N-BOX SLASHターボ)との入れ替えには踏み切れず、断念したことを書いたが、今回はそれの続編である。
道の駅までの7~8kmの往復の試乗を通して感じたことは、やはり操縦性とエンジン性能と安定性の違いだった。軽バンであるエブラーは、いかに高性能のコイルスプリングに換装してあるとは言え、やや腰高感があるし、坂道に入るとややかったるく感じたことは否めない。コーナリングにしても明らかにスラ吉くんのほうがはるかに安定している。ひとことで言うと、商用車と乗用車の違いがモロに出ていると思った。
また、シートの出来もかなり違う。もともとのコストが違うのだろうが、エブラーのそれよりも、スラ吉くんのシートのほうがずっと座り心地がいいし、何時間乗っていても、お尻が痛くなったことがない。
となれば、クルマ旅は走行での移動が大半の時間を占めるわけだから、走行性能自体、乗り心地自体を最優先すべきではないだろうか。確かに居住空間はエブラーの圧勝だが、車内で体操をするわけでもないし、運転している以外はちょっとくつろいで寝るだけだから、荷物の選別だけ注意すれば、そんなに広くなくたっていいわけだ。また細かく計算すれば燃費の差も大きい。同じ距離を走っても、おそらくリッターあたり10km前後も違うのだから、30リッターのガソリンでエブラーはせいぜい400kmしか走れないが、スラ吉くんは同じ量で600kmは走れそうだ。この差は大きい。
トータルでは、ぼくにはやはり商用車よりも乗用車のほうが合っているようだ。わかりやすく言うと、現時点で「N-BOXとN-VANのどちらに乗りたいか」と聞かれた場合、ためらわずにN-BOXと答えるだろう。それが結論である。
スラ吉くんを選ぶとき、本家N-BOXとも比較試乗はしたけれど、多少でも横風に強いとか、足回りの感じがちょっと違ったとかいうこともあるが、何よりも直感的に「N-BOX SLASHのほうが自分に向いている」と感じたことが選択の決め手になった。その決断は間違っていなかったと思うし、今回の件においても、それが正しかったことが実証されたような気がする。
したがって、当分の間は、ぼくの愛車はスラ吉くんのままだろう。